ガウスの超幾何微分方程式とクンマー合流型超幾何微分方程式を解いてみた
何のためとは言わんが、ガウスの超幾何微分方程式とクンマァ合流型超幾何微分方程式の解法です。参考にしてください。
※回答があっているかどうか分からないので、自己責任でお願いします
問題
大問1
を考える。
(1) が整数でないとき、上記の微分方程式の一般解を求めよ。
(2) のとき、上記の微分方程式の一般解を求めよ。
(3) はルジャンドルの微分方程式である。適当に変数変換することで、ガウスの超幾何微分法方程式になることを示せ。また、 での解析的な解を求めよ。
(4) に対する、(3)で求めた解を具体的な形で書け。
大問2
クンマァ合流型超幾何微分方程式
を考える。
(1) が非整数のとき、この方程式の一般解を求めよ。
(2) のとき、この方程式の一般解を求めよ。
(3 ) が2以上の整数のとき、この方程式の一般解を求めよ。
(4) が0以下の整数のとき、この方程式の一般解を求めよ。
(5) はラゲールの微分方程式である。 でのこの方程式の解析的な解を求めよ。
(6) に対する、(5)で求めた解の具体的な形を書け。
大問3
の2つの独立した解をとしたとき、
の一般解を求めよ。
解答
大問1
(1) 簡単のため、 という演算子を定義する。 この微分方程式の解を とおくと、
ここで第1,3項に関して、と変形すれば
これが常に成り立つには次の二つを満たせばよい。
最初の式を満たすをそれぞれ、とする。ただし、である。
また2つ目の式より、
と書くことにすると、
と係数が求まる。初項をととして、
(i) のとき
(ii) のとき
ここで、 であることに注意した。したがって一般解は線型結合で表すことができ、
また、
とおく。
(2) のとき、 となり重解になってしまうのでフロベニウスの方法を用いてもう一つの独立な解を求める必要がある。
これをで微分してを代入したものがもう一つの解になる。
以上より、もう一つの解は
(3) ルジャンドルの微分方程式に対し、 と変数変換すると、に注意して代入すれば、
これは としたガウスの超幾何微分方程式に一致する。ただし、は対称性があるので交換可である。この微分方程式の解は の値が1なので(2)のときの解に一致する。
(i) のとき
なので であり、(2)の解の が発散する。したがってもう一つの解
だけを選び、
(ii) のとき、 として変数変換をする。同じようにガウスの超幾何微分方程式に一致する。同様にが発散するので、もう一つの解だけを用いて
が得られる。
(4)
(i) のとき、 (nは正整数)なので のときだけ項が残り
となる。
(ii) のとき、 の添え字nが大きすぎると、 となるように0が現れる。したがって までの項が残り、
(iii) のとき、同様にまでの項が残り、
大問2
同様に左辺をとして、 とおくと、
したがって次式が得られる。
よって
(i) のとき、
(ii) のとき、
一般解はこれらの線型結合で表すことができ、
(2) のとき、重解になるのでフロベニウスの方法を用いると、問1と同様に
これとの線型結合が解になる。
(3) が2以上の整数のとき、正の整数mを用いて とおくことができる。すると、(1)のときの解の一つの の分母の のために発散してしまう。したがってフロベニウスの方法でもう一つの解を求める。
とおき、これをで微分するがここで発散しないように分母と分子がうまく打ち消すようにするために
とする。微分のために見やすいように整理すると、
ただし、 とおいた。さらに の項について
以上より、
次にこれを微分し、 を代入する。 についての変数が5個あるため、5つの項が生じる。
まず、 の微分の部分を考える。(2つの項を計算する)
すると、上の式のうち、第1項は分子の が0になるため微分しても0になる。一方、第2項目は分子と分母の0が打ち消しあうので残る。したがって、微分して代入すると
次に、 の微分については となるのでこれも消える。
そして、 を微分すると、
となる。最後の1つの項は の微分について
よって最後の項は
以上の項の足し合わせが、もう一つの独立な解になり、2つの線型結合で一般解が表される。
しかし、が を満たすとき、そもそも発散が起きない。したがって、のとき、(1)と同じ答えになり、そうでないときだけ上の答えになる。
(4) が0以下の整数のとき、正整数mを用いてと書ける。このとき、(1)で求めた は分母の で発散してしまう。したがってもう一つの解を求めたい。まず、 としてクンマーの微分方程式に代入したい。
したがって、
この形はとしたときのVについてのクンマー合流型超幾何微分方程式に相当する。したがってVを求めることができる。ここでに相当するm+1のは、mが正整数なので常に2以上の整数になる。よってVは(3)のときの解になる。ただし、同様に場合わけも必要になる。(解の具体的な形は省略)
(5) のとき、ラゲールの方程式となる。のとき、(2)で求めたが発散してしまうので、この項を無視すればよく
(6) (i) のとき、 の項だけが残り、
(ii) のとき、 の項までが残り、
(iii) のとき、 の項までが残り、
大問3
同次方程式の一般解が であるので、定数変化法を用いてをxの変数と考える。wの一階微分は
と書ける。次にwの2階微分を考えたいが、先に
と仮定しておく。すると
したがって、 は
したがって、 を満たすべき条件は
この連立方程式から を求める。
より、
同様に、
はこれらを積分して
となり、(積分定数は吸収されるので0と考えてよい)一般解は
となる。
間違ってたら教えてください